スリランカの旅も終盤。
いろいろな場所で満足いく採掘がたくさんできた。
なので滞在期間は、ビザの有効期限の30日間として、
ビザの追加更新はしないことにした。
この日は、採掘オーナーのティラカから電話をもらい、
宝石を出す最後の作業を見せてもらうことに。
相変わらずみんな、汗を流して作業している。
ティラカから
「なつよちゃん、ココナッツのジュース飲む?」
と聞かれて、うん!と言うと・・・
職人さんの一人が、いきなり木に登り始めた。
足に輪っかにしたヒモを掛け、
上手にさささっと上まで登っていった。
すごい!木登り上手!!
私も特技は木登りだったけど、枝のない木はちょっと・・・
しかも超高い!
ココナッツの実を上手に切り落とし、
下にいる職人さんが、キャッチ。
採った実を振ってチャプチャプ音がするもの、
しないものをチェックしている。
いい実と悪い実があるらしい。
ティラカ曰く、これは、ヤンココナッツという種類。
職人のお兄さんがカットして飲み口を作ってくれた。
採れたてのヤンココナッツジュースのお味は・・・
自然の味がする甘さひかえめの汁?
のどを潤すにはちょうどいい。
飲み終わったココナッツを
今度は半分に・・・
ココナッツの実を食べさせてくれた。
ゼリーみたいにぷるぷる。
スプーンまでココナッツの皮で作ってくれた♪
ほんのりした甘さで、とろっとしてる。
職人のみんなとも仲良くなった。
みんな「おお~!また来たの~!?」
ウェルカムって感じで受け入れてくれる。
「俺も写真に撮って、日本に連れて行ってくれ!」
だって。ステキな発想。
はい、連れて帰りますよ♪
そして、もうひとつの現場にもおじゃま。
現場リーダー、ドーモが、こっちに来て!と呼ぶ。
「入ってみる?」
『え!?いいの!?』
意を決してお願い!
この穴は、たぶん15m~25mぐらいの深さ。
上から覗いても、結構深そう。
え~!?いいの?いいの???行けるかな?
もともと木登りは得意なので、
するするする~っと・・・
無事到着。
下から上を見上げると・・・
結構深い!
地上界の光がとてもありがたく見える。
でもちょっぴり怖い。
しかも中はすごく蒸し暑い!
空気も薄い感じがする。
だからだろうけど、パイプでエアーがしっかり送られてた!
下に降りると、そこには板が張られていて、
その下は地下からあふれ出る水でいっぱいだった。
こっちこっちと呼ばれた方向には横穴も。
掘りすすめているトンネルにも潜入!
天井は一部すごく低いけど、
そこをぬけると普通に立って歩ける。
上から電気を引いているらしく、
しっかり明かりも灯されていた。
ゴムの木でしっかり固定され、
隙間にはシダ植物の葉がびっしりと埋め込まれていた。
すごく丁寧な造り。
横穴を掘る理由は、
サファイアが見つかった地層まで掘り進めたら、
そこを広げるように横に掘っていくと、
また宝石が出るからだそう。
まさか、地下でこんなことになっているとは。
みんなここを、一生懸命人力で掘っているんだもんな、
本当にすごい。
一度採掘された土地は、こんな風に穴になっていたり、
地下の水がしみ出たり、地盤が不安定になるため、
もう家などを建てて住む場所としては使えなくなるそう。
ティラカが言っていた。
宝石を取り尽くした土地は
なんの価値もなくなってしまうのかな。
そこに宝石が眠っていれば万々歳だけど。
みんなが汗水垂らして作り上げた地下トンネル。
見せてくれてありがとう、ドーモ!
そして、また最初の採掘現場に戻って、私も作業に参加。
掘り出した土を洗うと出る、
要らない砂をクワを使ってかき出す作業。
なかなか腕の筋肉を使う作業だけど、楽しい!!
素早くやっていかないとすぐに溜まってしまうので、
休んでられない!
と、必死になってやっていたら・・・
いつの間にか足が砂に埋まって抜けなくなってしまった。
土&泥を全部洗ったら、
今度は、ザル作業。
これが終われば、宝石チェック。
前回私が来たときは、宝石はゼロだった。
今やっている場所は、採掘したばかりらしく、
ここに宝石があるかどうか、まったくわからないらしい。
私もドキドキ、ティラカもドキドキ。
なにか見つかりますように・・・
何度チェックしても見つからない。
今日もダメなのかな。
なんとなくみんなにそんな空気が流れる。
とそんな中、ひとつの輝きが!!!!
あった!!!
私でもわかるほど、はっきりとしたイエローサファイア。
結構大きいし、色も美しい!!!
やった!!やったね!!
みんなと一緒に飛び跳ねて喜ぶ。
こ、これは、結構いい金額になるんじゃないの!?
あれだけの土を洗っても出たのはこれ一つ。
でも、何も出ないのとは訳が違う。
この地層にはやっぱりサファイアが眠っている。
そう確信が持てたっていうのは、
次からの作業にも希望が持てる。
いい宝石が見つかった時は、
ティラカと職人さん、みんなで宝石を売りに行くらしい。
しかも、その日の内に。
持ってると怖いし、早くお金に換えたいみたい。
なので、職人さんもいつもと違って正装。
みんな、いくらで売れるのか楽しみで仕方ないみたい。
嬉しそうな顔、みんなの笑顔が輝いてる。
宝石の値段はとても難しく、
ティラカ曰く・・・
「宝石の値段なんて誰にも分からないよ!」
だって。
誰がその価値を決めるのか。
買い取り人次第だそう。
そして、原石を買い取った人が宝石として販売する。
そこで、また値段が上がる。
価値は誰にも分からない。
確かに宝石って言ったもん勝ちみたいなところはある。
ティラカはそういう深い話をしていたのかもしれない。
この夜、ティラカから無事に売れたよ~と報告の電話があった。
70000スリランカルピー(約56000円)で売れたそう。
でも、もっと高値を付けてくてもいいのになぁ。
膨大な時間をかけ、あの大変な作業工程を見ていたら、
そんな風にも思ってしまう。
ティラカは
「原石の中にクラックがあったから、
思っていたより高く売れなかったけど、
でも楽しいよー。宝石出ればみんな楽しいね。」
とうれしそうに言っていた。
そうだね、宝石が出ればみんなハッピー。
何も出ない時も、宝石が出た時も、
立ち会うことができたから、
みんなの気持ち、本当によくわかった。
普段はとってもキュートなティラカだけど、
この写真、ちょっと怖い・・・
また、みんなの笑顔が輝くような、宝石が出るといいね。
欲しかったココナッツで作ったカップもプレゼントしてくれた。
ティラカ、みんな、ありがとう。