ティラカの採掘現場にふたたびおじゃま

Country
Sri Lanka
Location
Ratnapura
Schedule
2014-07-17-2014-07-25
Target
Sapphire / Tourmaline / Aquamarine / Zircon / Spinel
スリランカの旅も終盤。
いろいろな場所で満足いく採掘がたくさんできた。
なので滞在期間は、ビザの有効期限の30日間として、
ビザの追加更新はしないことにした。

この日は、採掘オーナーのティラカから電話をもらい、
宝石を出す最後の作業を見せてもらうことに。



相変わらずみんな、汗を流して作業している。

ティラカから
「なつよちゃん、ココナッツのジュース飲む?」
と聞かれて、うん!と言うと・・・
職人さんの一人が、いきなり木に登り始めた。
足に輪っかにしたヒモを掛け、
上手にさささっと上まで登っていった。
すごい!木登り上手!!
私も特技は木登りだったけど、枝のない木はちょっと・・・
しかも超高い!



ココナッツの実を上手に切り落とし、
下にいる職人さんが、キャッチ。
採った実を振ってチャプチャプ音がするもの、
しないものをチェックしている。
いい実と悪い実があるらしい。



ティラカ曰く、これは、ヤンココナッツという種類。
職人のお兄さんがカットして飲み口を作ってくれた。

採れたてのヤンココナッツジュースのお味は・・・
自然の味がする甘さひかえめの汁?
のどを潤すにはちょうどいい。



飲み終わったココナッツを
今度は半分に・・・



ココナッツの実を食べさせてくれた。
ゼリーみたいにぷるぷる。
スプーンまでココナッツの皮で作ってくれた♪
ほんのりした甘さで、とろっとしてる。



職人のみんなとも仲良くなった。
みんな「おお~!また来たの~!?」
ウェルカムって感じで受け入れてくれる。



「俺も写真に撮って、日本に連れて行ってくれ!」
だって。ステキな発想。
はい、連れて帰りますよ♪



そして、もうひとつの現場にもおじゃま。
現場リーダー、ドーモが、こっちに来て!と呼ぶ。



「入ってみる?」

『え!?いいの!?』

意を決してお願い!
この穴は、たぶん15m~25mぐらいの深さ。
上から覗いても、結構深そう。
え~!?いいの?いいの???行けるかな?



もともと木登りは得意なので、
するするする~っと・・・



無事到着。
下から上を見上げると・・・



結構深い!
地上界の光がとてもありがたく見える。

でもちょっぴり怖い。
しかも中はすごく蒸し暑い!
空気も薄い感じがする。
だからだろうけど、パイプでエアーがしっかり送られてた!

下に降りると、そこには板が張られていて、
その下は地下からあふれ出る水でいっぱいだった。
こっちこっちと呼ばれた方向には横穴も。
掘りすすめているトンネルにも潜入!



天井は一部すごく低いけど、
そこをぬけると普通に立って歩ける。
上から電気を引いているらしく、
しっかり明かりも灯されていた。
ゴムの木でしっかり固定され、
隙間にはシダ植物の葉がびっしりと埋め込まれていた。
すごく丁寧な造り。



横穴を掘る理由は、
サファイアが見つかった地層まで掘り進めたら、
そこを広げるように横に掘っていくと、
また宝石が出るからだそう。
まさか、地下でこんなことになっているとは。
みんなここを、一生懸命人力で掘っているんだもんな、
本当にすごい。

一度採掘された土地は、こんな風に穴になっていたり、
地下の水がしみ出たり、地盤が不安定になるため、
もう家などを建てて住む場所としては使えなくなるそう。
ティラカが言っていた。
宝石を取り尽くした土地は
なんの価値もなくなってしまうのかな。
そこに宝石が眠っていれば万々歳だけど。

みんなが汗水垂らして作り上げた地下トンネル。
見せてくれてありがとう、ドーモ!



そして、また最初の採掘現場に戻って、私も作業に参加。
掘り出した土を洗うと出る、
要らない砂をクワを使ってかき出す作業。
なかなか腕の筋肉を使う作業だけど、楽しい!!



素早くやっていかないとすぐに溜まってしまうので、
休んでられない!
と、必死になってやっていたら・・・
いつの間にか足が砂に埋まって抜けなくなってしまった。



土&泥を全部洗ったら、
今度は、ザル作業。
これが終われば、宝石チェック。



前回私が来たときは、宝石はゼロだった。
今やっている場所は、採掘したばかりらしく、
ここに宝石があるかどうか、まったくわからないらしい。
私もドキドキ、ティラカもドキドキ。
なにか見つかりますように・・・



何度チェックしても見つからない。
今日もダメなのかな。
なんとなくみんなにそんな空気が流れる。

とそんな中、ひとつの輝きが!!!!

あった!!!
私でもわかるほど、はっきりとしたイエローサファイア。
結構大きいし、色も美しい!!!

やった!!やったね!!
みんなと一緒に飛び跳ねて喜ぶ。
こ、これは、結構いい金額になるんじゃないの!?

あれだけの土を洗っても出たのはこれ一つ。
でも、何も出ないのとは訳が違う。
この地層にはやっぱりサファイアが眠っている。
そう確信が持てたっていうのは、
次からの作業にも希望が持てる。



いい宝石が見つかった時は、
ティラカと職人さん、みんなで宝石を売りに行くらしい。
しかも、その日の内に。
持ってると怖いし、早くお金に換えたいみたい。

なので、職人さんもいつもと違って正装。
みんな、いくらで売れるのか楽しみで仕方ないみたい。
嬉しそうな顔、みんなの笑顔が輝いてる。



宝石の値段はとても難しく、
ティラカ曰く・・・

「宝石の値段なんて誰にも分からないよ!」

だって。

誰がその価値を決めるのか。
買い取り人次第だそう。
そして、原石を買い取った人が宝石として販売する。
そこで、また値段が上がる。
価値は誰にも分からない。
確かに宝石って言ったもん勝ちみたいなところはある。
ティラカはそういう深い話をしていたのかもしれない。

この夜、ティラカから無事に売れたよ~と報告の電話があった。
70000スリランカルピー(約56000円)で売れたそう。
でも、もっと高値を付けてくてもいいのになぁ。

膨大な時間をかけ、あの大変な作業工程を見ていたら、
そんな風にも思ってしまう。

ティラカは
「原石の中にクラックがあったから、
 思っていたより高く売れなかったけど、
 でも楽しいよー。宝石出ればみんな楽しいね。」
とうれしそうに言っていた。

そうだね、宝石が出ればみんなハッピー。
何も出ない時も、宝石が出た時も、
立ち会うことができたから、
みんなの気持ち、本当によくわかった。



普段はとってもキュートなティラカだけど、
この写真、ちょっと怖い・・・

また、みんなの笑顔が輝くような、宝石が出るといいね。
欲しかったココナッツで作ったカップもプレゼントしてくれた。
ティラカ、みんな、ありがとう。