私たちの朝の日課は、宿の下の階にあるここへ行くこと。
上半身裸のラトナがお出迎え。
ラトナはほぼ毎日、ジェムマーケットに行くらしく、
朝早めの時間しかここにいない。
なにか新しい宝石が入荷してないか、見せてもらったり。
宝石について、教えてもらったり。
で、最後に『今日も採掘しに行っていい?』のお願い。
許可をもらって現場に行くという流れ。
最初はラトナと一緒に行っていたけど、
何度か通う内に、もう勝手に行っていいよ!という感じに。
宿からは歩いて行けちゃう距離なので、
飲み物と簡単な軽食を持って出発。
ラトナの採掘現場は、ほんと自由にやらせてもらってる。
自分で宝石を見つけたいと知ったからか、
土をザルで洗う洗い場の溜め池の脇なら、
勝手に掘ってもいいよ!と。
この池の脇を、
ひたすら掘っては洗い、
掘っては洗いを繰り返していると・・・
ちっちゃなジルコンを発見!!!
毎日宝石を見ていると、
今までまったくわからなかった
“サファイア”
“スピネル”
“ジルコン”
“トルマリン”
の見分けがつくように。
スピネル、ジルコンなんて今まで聞いたこともなかったのに。
ちなみにスリランカではジルコンをシルコンと言う。
最初シルコン・・・シリコン?と勘違いしていたが、
ジルコンのことだった。
そして、ちょっと大粒の原石も出た!
強い日差しの中、汗だくでの作業は続き、
へとへとに。
みんなも休憩タイムってことで、
私も職人さんたちの小屋で休憩させてもらうことに。
かまどで沸かしたお湯で、
セイロンティーを入れてごちそうしてくれた。
持参した水もなくなりかけてたから、助かった。
手作りのココナッツカップでいただく、
作業の後のセイロンティーは、やっぱり格別だな~。
水よりもあったかい紅茶のほうが、体の疲れがとれ、
生き返る~!
ここで作業してる職人さんたちは、英語は通じないから、
知ってるシンハラ語とジェスチャーでコミュニケーション。
ちょっとずつ距離が縮まっていく。
休憩後、またザル作業をずっとしたけど、
特になにも出なかった。
まあ、そんな日もある。
翌日も、採掘現場へ。
職人さんたちはサファイアが出る地層めがけて、
掘り進めてる。
採掘現場は本当にただの畑みたいなとこにあるので、
植物もいっぱい。
日本でもよく育ててたオジギソウもこんにちわ。
私たちが行った7月の気候は、不安定で、
作業をしてると、突然雨が降り出すことも・・・
背中に雨を受けながら作業。
蒸し暑いし、シャワー代わりにちょうどいい~♪
カエルも池でジャブジャブ泳いでる。
そんな雨も、一時的なものが多く、
すぐにどっかいっちゃう。
ザルを回す手を止めずに作業を続け、チェック!
もう何度ふるったことか・・・
今度は、何か出るかな・・・
砂利をどけていくと、
中からキランと光る石が!!
なんだか質感が違う。
数を重ねるごとに、
違いが分かるようになってきた気がする。
一気に2つも発見。
職人さんに聞いたら、サファイアとスピネルだって!!!
9月の誕生石、サファイア、自力で発見♪
なかなかいいサイズ。
透明度もあるし、クラックもなさそう。
もしかしたらカットも出来ちゃう!?
でも、これ買い取るといくらなんだろう!?
今日もみんなの見張り小屋で休憩。
外はすごく暑いのに、ここは風通しがよくて、
涼しい風が軽やかに吹き抜けていく。
お昼寝するにはちょうどいいな~。
この場所には水道はないので、
ここの職人さんの一人、おじいちゃんは、
飲み水を持って来るのも仕事みたい。
貴重なお水で入れてくれているセイロンティー、
おいしいに決まってる。
スリランカは仏教の国。
トゥクトゥクやバスにも仏様の絵や置物がまつられていて、
この見張り小屋にもちゃんとあった。
それにしても、屋根、上手に編んであるな~。
ヤシの木の葉っぱかな?
この見張り小屋だって手作りだもんね、みんな本当に器用だ。
休憩の後も作業は続き、
今日もそろそろおしまい。
よく掘り、よく洗った。
スリランカは、とにかく牛がいっぱいいる。
こんな田舎道はもちろん、
バスとかばんばん走ってる大通りにも、
放し飼いの牛たちがうろうろ、占領してたりする。
最後に余談だけど、
スリランカの採掘をやってみて、
宝石が出ることは出るのだが、
基本的に宝石はすべて買取制。
そのお金は、オーナーと職人さん達で分け合う。
だからなのか、職人さんたちが、
洗うのを手伝う時に、
宝石をザルの中に意図的に入れているのでは!?
といろんな採掘現場に行って思ってしまった。
なぜなら、職人さんが手伝う時に限って、
宝石が見つかり、自分だけでやっている時は見つからない。
職人さんが手伝う時は、
最初の1ザルで宝石が見つかったりする。
なのに、
自分だけでやるときは20回やっても出ない。
そんなことある?
この日のサファイアが見つかった場面はと言うと・・・
▽カゴ何杯分かやったところで、
マネージャーとおじいちゃんがやってきて、
おじいちゃんが土を運ぶの手伝ってくれた。
▽でも、中に石入れられるのはいやだったから、
とりあえずそれはいれずにチェックタイム。
▽そばにいたものの、一緒に見る?って言っても、
首をふって近寄ってこない。
▽そしてそこには何もなかった。
▽おじいちゃんが手伝ってくれて、
何回か持って来てくれたのを含めて、何杯かやったあと、
チェックタイム。
▽今度は2人ともしっかり見に来た。
しかも近くで、ザルの中をチェック。
▽絶対おじいちゃんがなんか入れた気がする。怪しさ満点。
▽入れられてないことを証明するため、
どうか何も出ないでくれ!!と思ったけど・・・
▽案の定分かりやすい大きさの、
サファイアとスピネルの原石が出た。
▽まだ砂利は残っているのに、
その2つが出たらおじいちゃんはどっか行っちゃった。
自分が仕込んだ石がちゃんと見つかったから、
もう他は出るわけないってことなのか!?
という感じで、誰かが手伝うとき、
誰かが一緒にいるときだけ、宝石は見つかる。
宿に戻り、ラサンタにこの不可解なできごとを話すと、
「まさかそんなことしないよ!」って笑っていたけど、
真相は誰にもわからない。
ホントに自分の力で採ったのは、
最初の小さなジルコンぐらいかな。
あとは、いつも近くに職人さんがいたのだった。
そんなに価値のない石でも、
自分で見つければ、高値で買う、という心理。
まんまと騙されているのかも。
とはいえ、ある程度、石の価値は知っているので、
そんな高値ではもちろん買わず、値切って値切って。
1日楽しんだお金と思ってお買い上げしている♪
ちなみに、この現場で見つけた石の値段は、
オーナーのラトナと交渉。
2日間で見つけた、
サファイア、スピネル、トルマリン、ジルコン・・・
全部で、5000スリランカルピー(約4000円)!
高いのかな!?
安いのかな!?
2日間、2人で楽しんで、
このお値段ならよし♪
採掘後は、町に繰り出し夕食タイム。
いつものワン太郎と一緒にお出かけ♪
と言っても、ワン太郎が付いてくるのは、
下り坂の途中まで。
そこまで来ると、私を見送って帰っていく。
さぁ、今日は何を食べようかね~。