宿から見える採掘現場

Country
Sri Lanka
Location
Ratnapura
Schedule
2014-06-27-2014-07-12
Target
Sapphire / Tourmaline / Aquamarine / Zircon / Spinel


翌朝、テラスから採掘現場を眺めてみると、
昨日は無かった重機が!!!
今日も朝から採掘しているようだ。

宿のスタッフに、
『昨日あそこで採掘したよ!』
と話しをしたら・・・

「オーナーに連れて行ってもらったの?」

ん?

んんん???

どうゆうことかな!?

・・・話しを聞いてみると、
実は、あの採掘現場、
私たちが泊まっているゲストハウスのオーナーが、
オーナーだったのだ。

なんたる事実!!

このグッドニュースに、
早速、オーナーに、
『私たちもそこで採掘したい!』とお願い。

すると、あっさりOK。
オーナー自ら案内してくれることに。

オーナーの名前はラトナ。
ラトナとは、シンハラ語で宝石という意味だそう。
まさに!宝石とは切っても切れない運命的な名前!
ということは、この町の名前ラトナプラも、
宝石の都という意味があるらしい。
やっぱり宝石の町なんだ。
ちなみにラトナは英語もばっちり話せる。

ここラトナプラでは、ほとんどの人が
徒歩かトゥクトゥクで移動しているんだけど、
ラトナは、自動車を持っていた。
しかも日本車のワゴン。

ラトナが運転する高級な日本車に乗って、
採掘現場に連れて行ってくれた。



写真の真ん中に見えるのが泊まっているゲストハウス。
近い!!

ラトナの計らいで、
土を洗うためのザル、土を運ぶためのカゴ、クワを貸してくた。



今までの採掘とは違い、
ここでは自分で土を掘り、土を運び、ザルで洗い、
宝石をチェックする、というすべての行程を自分で担当。

土を掘る場所は、溜め池のフチか、
職人さん達が宝石がある地層まで掘り出した土の中で、
宝石がなさそうと判断したいらない土を
貯めてある場所がOKだという。

これこれ!!
私がやりたかったのは、これ!!!
自分の力で、自分のペースで、自由にできるスタイル。
スリランカはチームプレーの採掘なので、
このパターンの採掘は無理かと思ってたけど、
泊まったゲストハウスが良かった。

いざ、宝石採掘!!!



まだ完璧にマスターしていないので、
ラトナに、ザルの使い方のコツを教わる。
ラトナ自ら池に入って、教えてくれる。

今までの採掘現場では、
オーナーやマネージャーさんは見ているだけだったから、
ラトナが上手に土を洗う姿にちょっと驚いた。
すごく上手。オーナーでもできるんだ。

話を聞くと、ラトナが子供の頃、
このあたりによくおじさんに連れられて来て歩いていると、
手のひらいっぱい宝石が集まったのだという。
そしてラトナ自信も宝石採掘の仕事をしていて、
財を築いたのだそう。
なんて夢みたいなストーリー。

そんな話を聞きながら、私もトライ。
少しずつだけど、ザルが上手く回るように。

ひたすらザルを回して土を洗い続けた。
ラトナの話によると、
カゴ20杯くらいやるのだそう。
えーーーっ!?そんなに!?
ハードだよ。

汗びっしょりになりながら、
次は、宝石チェック。
しっかり手を合わせて見ていく。



ゆっくりゆっくり見落とさないようにかき分けていく。
ラトナの現場では、指の形は3本指。
熊手のようにして見るのがいいそう。
大事な底の部分は、さらにゆっくり大事にチェック。
すると・・・



出た!!!

これ、ラトナ曰く、ゲウダという石。
乳白色のサファイアで、
以前は宝石としての価値が無く、
捨てられていたらしけど、
その後、この石を加熱すると、青くなることがわかり、
今では価値があるものらしい。
もちろん天然の青いサファイアと比べれば、全然みたいだけど。

それでもやっぱりうれしい!!!
いっぱい土を洗ったかいがあった。
ラトナの採掘現場で初めての収穫!

そんな私のすぐそばでは、
ずっと採掘が続けられている。



どのくらい深くまで掘れば、
サファイアが出る地層にぶち当たるんだろう。
人力で掘り進めるって、本当に体力いる仕事だと思うけど、
おっちゃんも一攫千金狙って、がんばってる。

おりゃーーーっ!!!
私も負けてられない。
もっと宝石を出したい!!
ガツガツ掘る。



ジャブジャブ、ジャラジャラ洗う。

クソ熱い日差しの中、時々涼しい風が吹く。
青い空、緑の草たち、赤い大地、溜め池の中のメダカたち。
自然が心地いい。

ザルの使い方のコツをつかんで、
だいぶ中の砂利を回せるようになってきた。
ラトナの共同採掘オーナーのお兄さんもやって来て、
私の動きを見て、うまいねって褒めてくれた。

足も腰も手も痛いけど、
この中に宝石があるかもと思うと、
がんばれちゃう。
一緒に付き合ってくれるラトナがいるから、
気合いも入る。



赤とんぼもそっと見守ってる。
何か出るかな~?
・・・

あっ!!



出た!!!!

今度はグレーの石。
どう見ても他の石と違う。

『これもゲウダ?』と聞くと・・・
「スターサファイア!!」とのお答えが。

やった!これはいいんじゃないの!?
スターサファイアっていうのは、
カボションというまるっとつるっとしたカットにしたときに、
光を当てると丸い部分の中心に
6条の線が出るサファイアのこと。

よし!
種類はとにかく、なにか宝石が出れば、
ひとまずハッピー!
この日の買い取り額は6000スリランカルピー。
ラトナとオーナー、職人さんたちそれぞれ2000ルピーで
どうだと言われたけど、5000にまけてもらった。

ちょっと高いけど、長時間付き合ってもらったし、
やりたかったスタイルで採掘もできた。
宝石も採れたし、十分楽しませてもらった。
満足、満足。



これは採掘現場で、
ラトナの共同採掘オーナーが見せてくれた宝石。

ひとつひとつ丁寧に並べられていて、
もうこれだけで立派な宝石アートみたい。
一個ずつで見たらただの丸とかしずくみたいな形だけど、
上手に並べると、お花みたいになったりするんだ。
見た目も美しく、このまま飾ってもキレイ。
女性心をわかってるな。
やっぱりディスプレイって大事。

ちなみに、前日私たちに「トパーズ」と
嘘ついたマネージャーらしき人も、
買わないかって、自分の宝石の箱詰めを見せてきたけど、
とっちらかってて、はちゃめちゃ雑だった。
これは、その人の性格が出るんだな。

共同採掘オーナーは、わかってる人だなと関心しつつも、
何の石か価値がよくわからないのでスルー。
でも、いいものを見せてもらった。

この日の採掘を終え、
泥に染まった作業着を手洗い&シャワーでさっぱり。
ワン太郎と一緒に、町へ買いだし♪



ゲストハウスは高台にあるので、ず~っと坂を下っていく。
ラトナプラの町は賑わってて、なかなか立派だ。



くだもの店で、大好きなバナナをゲット。
選びたい放題。



ゲストハウスに戻って、一寸一服。
ゲストハウスにはレストランもあって、
ドリンクも注文できる。
これはスリランカのスプライト。

なぜだかわからないけど、超気が抜けてる。
っていうか、全然シュワシュワがない。
ただの甘い汁。



そして、フタの裏には謎のメッセージ。
シュワシュワなくて残念って意味?
何か当たるのか?
それとも占いか?

なにはともあれ、明日も採掘トライ、アゲイン。