天空の城マチュピチュ

Country
Peru
Location
Machu Picchu
Schedule
2014-02-07-2014-02-19
幼い頃から謎めいたものが好きだった私。
22歳の時に行った、イタリアのポンペイ遺跡で、
すっかり遺跡が好きになってしまった。
広大な土地の中に、昔の町がそのまま残っていて、
長い年月をかけて自然に浸食されている様が、
とてつもなくわくわくさせてくれた。

マチュピチュは私が生きているうちに、
絶対に行きたいと思っていた憧れの遺跡。
1911年7月24日に、
アメリカの探検家ハイラム・ビンガム氏によって発見された。
7月24日(なつよ)なんか勝手に運命を感じる。

小さい頃から大好きなジブリ映画が
影響しているのかもしれないが、
「天空の城ラピュタ」とマチュピチュを
重ねてしまうことが多かった。
いつの頃からか、
マチュピチュは実在するラピュタなんだと、
自分の中で信じるようになっていたからこそ、
自分で行ってこの目で確かめたかった。

ついに、その夢が叶う日が来た。

もうひとりは、観光地や観光客がいる場所が大の苦手。
おまけに遺跡にも全く興味がない。
OK!そういう人とは絶対一緒に行っても
お互い楽しくないから、別行動ね!
ということで、久々に一人の世界を楽しむ!
ウキウキで向かったマチュピチュ。

世界的にめちゃめちゃ有名なマチュピチュは、
びっくりするくらい観光客であふれていた。
マチュピチュ村にやってきて、うすうす感づいてだけど・・・
求めていた静けさもなければ、ロマンチック感もない。

マチュピチュって貸し切りにできないのかな?

マチュピチュの背後にそびえるワイナピチュ山に
登れるチケットは、1日400人限定。
1回目、2回目と分かれてるから、
200人分を買い占めれば、100万円くらいでいけるんじゃない?
と、もうひとりがアドバイス。

えっ!?
その手があったか・・・
・・・
100万円・・・
安いような、高いような・・・

でも、でも、でも!!
だったら世界もう一周します。

一瞬、貸し切りを夢見たけど、
大金持ちになってからじゃないとムリ!!

それくらいしないから、
そこら中にいるマチュピチュファンと一緒なんだよ。
と罵声を浴びせられる。
むむむ!そんなんじゃないやい!
と言いつつも、冷静になってみて、
そうですねと落ち着く私。
それぐらいの情熱がなきゃね。

世界遺産のTVや写真集で、
散々見てきたマチュピチュ。
でも、生で見るのはやっぱり違った。

想像していた場所よりもずっと高い山にあることに驚く。



いろんな情報も散々聞いて来たのに、
写真には写っていなかった、
マチュピチュの下を流れる濁流とか、
遺跡の端っこの方の見切れてた崖のだんだん畑とか、
岩の間から顔を出している草花とか、
ちょっとしめった風とか、
故郷・神津島の天上山と同じ匂いとか、
歌う鳥の声とか、
全身で感じる!!!



人気がない場所まで行って、
ゆっくり絵を描いたり、
Björkの歌を聴いたり、
谷底を眺めたり、
遠くにそびえる山にわいては消える雲を観察したり・・・
めいっぱいマチュピチュを堪能。

私が遺跡が好きなところは、
探検ができるところ。
迷路みたいで、どこにつながってるのかわからない道を、
ぐんぐん行った先に、何かを見つける。

マチュピチュをじっくり眺めた後は、
マチュピチュ遺跡探検!!

よく見ると、マチュピチュの遺跡は、
クォーツや石英が混じった石が使われている部分もあり、
とても興味深かった。
アメリカでダイヤモンドを掘っていたからこそ、
着目できた点。
このあたりでもクォーツが出るんだ!
くぅ〜!探しに行きたい!!

ただ、ひとつ残念だったのは、
遺跡全体に手入れが行き届きすぎているということ。
私が好きな遺跡は、長い歳月をかけて、
人間が作ったものが自然に飲み込まれているって感じの、
もっともっと草ぼうぼう、コケむしむし!
マチュピチュ遺跡内には、
草むしりやコケをはがす作業をしている人が多数。
ここで暮らす人にとっては
雇用が増えてありがたいのかもしれないけど、
よそ者としては、ちょっと綺麗にしすぎな感じがしてしまった。
でも、そうしないと、本当に朽ちてしまうのかな。

遺跡の横には、小さな獣道がたくさんあって、
観光客が行かない順路がいくつもある。
ロープや注意書きはないので、立ち入り禁止ゾーンではない。
自分だけの「天空の城ラピュタ」と思える場所を見つけたくて、
一人、うろうろ・・・
石切場だったと思われる場所を越えると、
崖の下のだんだん畑に続く、小さな道と石の階段が。
こっち側は人が来ないから、草ぼうぼう。
手入れがされてない。

ワクワクするっ!!!!!

小さな花が風に揺れる。
細く崖側に傾斜している階段をゆっくり降りる。

ゾクゾクするっ!!!!!

そして、大きな岩にたどり着く。
その先はどうなってるのかな?
ゆっくり歩いて行くと、円形の広い芝生にたどり着いた。
風が吹いてる。
ピンクのかすみ草みたいな花が揺れている。
息をのんだ。

こ、ここだ・・・

天空の城ラピュタ・・・
シータとパズーが小さな凧に乗って、
打ち上げられた場所。

見つけた!
私だけのお気に入りの場所。
観光客の声も聞こえない。
翼を広げた鳥が、くるっと輪を描いて飛んでいく。
ピンクや青い花に混じって、クローバーもあった。
谷底を流れる濁流の音、
谷の彼方に見える山、
雲がわき上がって、
本当に天空の城にいるみたいだ。

ずっとここにいたい。

遺跡そっちのけで、
ずっとここにいた私。
やっぱり、
見たことある景色より、
自分で見つける見たことないない景色の方が
心が満たされる。
初めてマチュピチュを発見した、
ハイラムさんはめちゃめちゃ興奮しただろうな。
マチュピチュで一番感激した場所だった。


翌日はマチュピチュの背後にそびえる大きな山、
ワイナピチュ山に登り・・・



その隣にある小さな山、
ウチュイワイナピチュに登り・・・

その翌日はマチュピチュの手前側にある山、
マチュピチュ山(3082m)に登り・・・



マチュピチュでは登山三昧。
標高も高い上に結構急斜面でなかなかハードな登山だった。



入口にあった記念スタンプ。
世界中の記念スタンプを集めようと、
張り切ってグッズで作ったスタンプ帳も持参したのに、
これを含め世界で集まったスタンプは5つのみ。
世界では流行ってないらしい。残念!

マチュピチュのふもとにある、
マチュピチュ村の外れを一人で散歩していたら、
偶然、地元の姉妹に出会った。
たまたま行く方向が一緒で、
お互い、あの人、まだ付いてくる・・・って感じで気になって、
気づいたら笑い合っていて、一緒にお散歩することに。
アンナとフェルナンダ。
話し出すととってもひとなつっこくてかわいい。
宿を経営しているお家の娘さんということで、
観光客が山を下って来るマチュピチュ登山口の近くまで、
夕方になると毎日散歩して客引きをしていると言う。
線路の上を一緒に歩いて、巨大トンネルをわたり、
有料の吊り橋を地元顔パスでスルー、
スペイン語を教えてもらったり、
逆に日本語を教えたり、楽しいひととき。

日本の歌手だと伝えると、
「歌って!」
と、なり、大自然の中で歌う。
二人とも目をキラキラさせて、
「ムイ・リンダ!」って、
スペイン語ですごくかわいい!
みたいなことを言ってくれた。
ギターも弾くよって言うと、こんな感じ?
と、シダの葉をギターみたいに弾いてた。
発想がおもしろい!
次の日も約束して、一緒にお散歩。

こうして、憧れのマチュピチュに、
大好きなお散歩友達ができたのであった。




そして、マチュピチュ村にもあった。
結構本格的な鉱物ショップが。



所狭しと並べられた石は、磨かれているものも、
原石のままのものある。
今でこそ、少しは何の石なのか判断できるようになったが、
この頃はまだそんなに石に詳しくもなく、
謎の石だらけに見えた。

そんな中で気になって購入したのがこれ。



お店のお母ちゃんが、丁寧に石の名前を書いてくれたけど、
スペイン語だし、あまりよくわからない。
ネットで調べてみたけど、
どうやらお母ちゃんもあまり石に
詳しくないっぽいということがわかった。
水色の石は、ターコイズと言っていたけど、
全然違う石クリソコラだった。

妹のお土産に、ペルー産だと言うラピスラズリのピアスを購入。
しずく型でかわいらしい♪



こうして、ペルーでも
気になる石をいろいろゲット!!
またマチュピチュに行こう。
そして、またアンナとフェルナンダとお散歩しよう。