憧れのダイヤモンドハンター・アダム

Country
USA
Location
Crater of Diamonds State Park
Schedule
2013-11-09-2014-02-04
Target
Diamond
Adam Hardin

彼の名を知ったのは、
PAWN KINGSという質屋さん。
公園がある町、マーフリーズボロには、
アンティークショップ数軒、
質屋さん1軒があり、
公園で見つかったダイヤモンド原石が売られている。

これを見て分かったのが、
ダイヤモンドを探す人には、

 *私のように自分のために探す人
 *見つけたダイヤモンドを売って生活する人

二通りいる、ということ。

発見されたダイヤモンドには、
必ず公園の証明書カードが付いており、
もちろん売られているダイヤモンドには、
そのカードがついている。

いろいろなお店で、そのカードを見ていくと、
あることに気づいた。
それは、Adam Hardin という名前。
その数の多さ!
しかも、発見した日時をみると、
最近のものが多い!

・・・ということは、
きっと私が採掘している時に、
同じように採掘している人の中に、
Adam Hardin がいるはず!



「アダム」って誰なんだろう!?



絶対お近づきになりたい!
と思い、質屋のスタッフに聞いてみると、
彼の特徴を教えてくれた。

そして、ある日いつものように、
ダイヤモンド発見記録が書かれているボードを見に行くと、
昨日の日付で新たなダイヤモンドが発見されていた。
スタッフに、誰が出したの?と聞くと、

「アダム」
という答えが!

えっ!!アダムってあのアダム?

どうやら、今日もいるらしい・・・

といっても公園は広い。
それらしき人がいるといえばいるし、
まあ、よくわからない。

が、この日はアダムのことが気になって仕方がない。

そんな中、洗い場で大量のバケツを並べ、
長靴にエプロン、ごついゴム手袋をして作業している、
小柄な男性を見かけた。


(遠くから隠し撮り)

こんな感じの
プロフェッショナルっぽい人は、
たまにいるんだけど、
だいたいが、
「近づいて来るんじゃぁねぇぞ、
 オレは静かに作業していんでい!」
オーラが凄くて、
話しかけることも近づくこともできない。

が、しかし!
質屋のスタッフから聞いていた特徴と一致。


もしや・・・


あれは・・・


アダムかもしれない!!


でも、なんて声かけていいかわからない。
でも、声かけたい!!
英語はイマイチだけど、恐る恐る声をかけてみる。


まずは、あいさつから。
ここでのあいさつと言えば、
『Did you find Diamond?』
しかない。


私も何度も聞かれ、何度も使ったセリフ。
この質問に、
何度『No Diamond !』と答えたことか・・・。
このセリフだけは、
英語力に自信がない私でも通じる英語。


すると・・・
今日はダイヤを見つけていないようだ。
でも、昨日はダイヤモンドを見つけたらしい。


昨日!?


これはやっぱり・・・


アダムかもしれない!!


いきなり名前を聞くのは失礼なので、
まずは、自分の名を名乗った上で、

『What's your name?』









「Adam」








うぉーーーーーーーーーーーっ!!!
アダムだーーーーーー!!!
やっと本物に会えた!!

うれしくていろいろ話したいけど、
英語が出てこないーーー!

実は、今まで内緒にしていたが、
私は、ダイヤモンド原石を質屋で購入していた。
採掘に行ったんだから、買っちゃダメでしょ!!
と自分でも思っていたけど、
本物のダイヤモンド原石をよく知らなければ、
公園でダイヤモンド見ても、
気づけないかもしれないと思い、
勉強のため購入していた。

そのダイヤモンドは、
アダムが見つけた
3ポイントのイエローダイヤモンドだった。


『あなたのダイヤモンド、
 私、PAWN KINGSで買いました!』


あなたに会いたかったこと、
あなたのダイヤモンドがいっぱい売っていて
驚いたこと、
ダイヤモンドを探しに来た自分のこと、
いろいろ話してみたが、
伝わっているかは、よくわからず。

だけど、
1ヶ月以上ここで採掘しているので、
実はお互いなんとなく見たことはあったのだった。
日本人で1ヶ月ぐらい前から来てるけど、
まだダイヤモンドを見つけてないことは、
伝わったと思う。

そして、
彼は沢山のヒントをくれた。
次に会ったとき、作業風景も見せてくれた。



アダムの動きは、
すごく速い!
まさに「ライク ア マシーン」。

そして、
くそ寒いのに半袖!

エプロンは、
シャワーカーテンを使った自作。

動きも道具もプロフェッショナル仕様で、
まさに職人。

ここぞとばかりに私は質問攻め。

 *今まで200回来て、66個のダイヤを見つけた。
 *1番大きいのは37pointが2つ。
 *1番いいダイヤは15pointのイエローで
  400ドルで売れたらしい。
 *ブラウンのパーフェクトボールは売らずに取っておいて、
  お母さんにプレゼントしたらしい。
 *イエローダイヤモンドはなかなか出ない。
 *土はディープには掘らなくていい。

ふむふむ・・・


アダムを見ていて感じたこと。
それは・・・


とても丁寧!
砂粒一つ残さない!


どこにダイヤモンドがあっても、
絶対逃さない。
という意気込みが感じられた。


きっとここにダイヤモンドが
絶対あるから、全部を大切にしてるんだろう。


こういう人が、
ダイヤモンドを見つけるんだなって。
見つける人と、
そうでない人の差みたいなものが、
わかった気がした。
とにかく、全てがお手本で、
めちゃめちゃ勉強になる!
テクニックはもちろん、
ダイヤモンドに向き合う姿勢は、
本当にかっこよすぎる!!


アダム、ありがとう。


その日の作業終わり、
私はPAWN KINGSに向かった。


もちろん・・・






アダムが見つけたダイヤモンドを
2つお買い上げ!
これでホワイト、ブラウン、イエローと
この公園で出るダイヤモンド3種類が揃った。



ちなみに私は・・・「No Diamond!」