イースター島とおみやげと

Country
Chile
Location
Easter Island / Santiago
Schedule
2014-03-19-2014-04-06
中学生の頃の私にはたくさんの夢があった。

歌手、ダンサー、声優、女優・・・
その中にマンガ家という夢もあった。

小さい頃から絵を描くのが大好きで、
中学生になってからはストーリーを考えるようになり、
ノートにマンガを描く毎日だった。

その中の長編マンガに、
イースター島とモアイが出て来るものがある。
当時、夢中で見ていた
アニメ「ふしぎの海のナディア」に魅了され、
私の家にあった、消えたアトランティス大陸の謎の本や、
イースター島のモアイのことが書かれた本を読みあさり、
謎に満ちたモアイに心惹かれ、題材としていたのだった。

いつかイースター島に行って、
本物のモアイを見てみたい。

そんな想いがずっとあった。

そして、世界一周に行くことを決めたとき、
迷わずルートに入れたイースター島。

トゥラウェンでのラピスラズリ探しを終え、
念願だったイースター島へ飛んだ。



飛行機の中からは虹がいっぱい見えた。
太平洋のど真ん中は、やっぱり雨雲が発生しやすいのかな?
海に雨を降らせている大きな雲もたくさん目撃した。

このあたりではイースター島と言っても、
誰にも通じない。
スペイン語圏では、
イスラ・デ・パスクア、
島の言葉では、ラパ・ヌイと言うらしい。
知らないことばかり。



元々島育ちの私にとってイースター島は、
地元・神津島と変わらない風景に映った。
ずっとずっと昔から慣れ親しんだ風景。
潮の香り、土の香り、人の雰囲気、全て。
しいていうなら、
伊豆大島や八丈島にとても良く似た雰囲気の大きな島。

太平洋にポツンと浮かぶ島だけに、
物価は驚くほど高かった!
さらに、島中が観光地って感じがプンプンする。
ちょっとイメージと違う・・・

島を少し歩くだけで、
そこら中にモアイ像はたたずみ、転がっていた。
目がハートになってるモアイ発見。



私が見たいと思っていたモアイは宿が集まる町から
だいぶ離れているということで、
ツアーに参加し、連れて行ってもらうことに。

憧れ続けたあのモアイに会える!?
どきどきしながら向かった。



そして、ついにご対面!

そこで見たモアイは確かに、
中学生の私がマンガの世界で描いた
あの景色と同じものだった。



・・・なのに、なぜだろう。
感動できない自分がいた。
完全に観光地化され、整備された道。
綺麗に手入れされた芝。
次から次へと押し寄せる観光客。
私が描いていたあの世界は、もっと、
手つかずの大自然に飲み込まれているような、
壮大でミステリアスで荒れ果ててて誰もいない・・・
みたいな感じだった。

イメージと違う・・・

そりゃそうか。
誰もが知ってるイースター島、
誰もが知ってるモアイ、
誰もが行って見たいと思っている有名な島、
ここは、観光地なのだ。

確かに、こんな大きなモアイを山から切り出し、
運び出した昔の人はすごいと思った。
ガイドさんがモアイが作られた経緯や島の歴史について、
いろんなことを説明してくれるので、
理解もできる。
埋まったモアイの体は掘り起こしてみると、
実はすごく大きいと知ってビックリもした。



でも、ショック・・・
モアイに感動できないなんて・・・

たぶん、ボリビア、チリのラピスラズリ編のように、
誰も行かないようなところに、
たどり着けるかもわからないような、
あのワクワクする冒険感が
体にインプットされてしまった私には、
とても物足りないと感じてしまったのだった。

順番、逆だったかもーーー!?
そして、もう完全に観光地、向いてないかも・・・

逆に、見たことなかった遺跡みたいな所の方が、
天空の城ラピュタに出て来るシータのお家みたいで、
興味津々。



その後、島のいたる場所にあるモアイを
たくさん見学しても・・・
気持ちは変わらない。
ただ、チリの大地震で津波が来たときに流されたという
モアイが、日本の企業によって立て直されたという話は、
同じ日本人として、とてもあたたかい気持ちになった。



実際、私たちがイースター島に滞在中も、
チリで地震があり、津波警報が発令された。
海が目の前の宿だったため、
警察の人達に誘導され、大事な荷物だけを持って、
高台にある教会に避難。
言葉もわからないし、情報もないし、若干パニック。
ただ、東日本大震災で、
津波の被害をいくつも目の当たりにしてきたので
とにかく早く高いところへ行かなければという思いはあった。
避難している間中、
震災に遭った人達の気持ちをまたずっと考えていた。
怖かっただろうな、不安だっただろうな、
何度考えてもやっぱり涙があふれてきた。

結局津波の被害はなかったものの、
とても怖い体験をした。
しかし、今まで実際に避難するような環境にいなかったので、
いろんな意味でとても貴重な体験になったのだった。

翌日、何事もなかったように、
平和な島を残りのツアーで巡る。

未舗装の道を歩いていると、
黒く光る石が。

拾い上げてみると、それは黒曜石だった。
黒曜石と言えば、その昔、ヤジリとして使われていたもの。
しかも、私の故郷・神津島にもたくさんあって、
幼い頃から慣れ親しんだ石だ。



おお!イースター島にもあるんだ!
遠く離れた神津島にもある黒曜石が、
こんなところにもあると知って、ちょっとうれしい。
ガイドさんの話によると、
なんでもこの黒曜石を使って、あのモアイを掘っていたんだとか。
おお!さすが、黒曜石!

おみやげに持って帰りたいところだったが、
調べてみると、イースター島の全ての石は国外持ち出し禁止。
法律で守られているという。

ということで、記念に写真に収めてきた。

その後、特に観光もせず、
島の少年たちにまじって、釣りを楽しんだ。



こうしてイースター島でのバカンス終了。
ふたたび、チリの首都サンティアゴへ。

サンティアゴにもラピスラズリのお店は多く、探しに行くと、
気になる露天商さんを発見!!
カラフルで愛くるしい手作り指人形をゲット!



そして、目的だったラピスラズリのお店へ。



さすが、チリ。
完全にモアイ頼みな感じもするが、
しっかり彫刻されたラピスラズリの品数が豊富!

気のよさそうなお母ちゃんが、
ラピスラズリの原石もたくさん見せてくれた。
どうやら、自分で買い付けに行ったりしているみたい。
お母ちゃん、かっこいい!



お店の外観まで、ラピスラズリ色!
アニメ「ふしぎの海のナディア」でナディアがしてる
「ブルー・ウォーター」みたいな形の、
ペンダントトップをお買い上げ♪
大満足!

もう1軒のお店は、ジュエリーショップみたい。
私の好きなクローバーのペンダントトップも充実。



飲んでみたかった、ピスコサワーも、
サービスで振る舞ってもらった。



中でも、ぶどうをモチーフに作られたラピスラズリは、
すごい存在感。
ブローチかな?
重くて、付けられなそうだけど、
チリのおみやげとしては、最高だな〜。
いいお値段なので、もちろん見るだけ。



ラピスラズリも、中には染められているものや、
ニセモノみたいなものもあるよう。
でも残念ながら私に見抜くチカラはないので、
お手頃価格の気に入ったものをゲット。

叶えたかった小さな夢は、
若干想い描いていた感じとは違ったけど、
ほしかった12月の誕生石、ラピスラズリは無事ゲット。
トゥラウェンでのラピスラズリ探しが、
今後の誕生石探しへの道を
ワクワクする方へ導いてくれるきっかけとなったのだった。