Japan2023〜金沢の犀川で砂金採り&金沢大学で国産ルビー〜

今までいろんな宝石を採掘・採取してきた私たちだけど、


金!!!!


GOLD!!!!


は採ったことがない!!

世界一周の旅で、アメリカのゴールドラッシュで有名な地へ行き、金探しをしてみたいと、当時パンニング皿を購入。
でも、ダイヤモンド探しに3ヶ月費やしたため、実現せず。

それ以降も、ずーーっと砂金採りに興味はあったけど、
なかなか実行に移せず。

あれから10年・・・

ついに砂金採りのチャンスが!!!!

やってきたのは石川県金沢市の犀川。


なんと金沢の地名は「砂金を洗った泉」の伝説が由来とされていて、まさに「金」の「沢」。
これは初砂金採りをする場所にふさわしすぎる!!

さらに、見てはないのだけど、あのタモリさんがブラタモリで砂金採りをした川らしい。
今回は旦那の親友のお兄さんが石好き&砂金採りもやっているということで、ポイントを教えてもらえることに!



前日の雨&この日も小雨が降ったり、遠くで雷鳴が聞こえたり怪しい天気で、川の水かさも少し増していて、ビギナーには厳しい環境!

10年越しの新品パンニング皿で、いざ砂金採り!

金が流れ着いて溜まっていそうな草の根のあたりや、岩の窪みなどの土を掘って、洗ってみる。
このあたりは、ダイヤモンドを探す時と同じ原理。



が、宝石のザルを使いこなすのと違って、
全然コツが掴めない!!

大きな石も、小さな砂利も同じパンニング皿にたまるので、
よりわけるのが難しい。
大きな砂利を取り除くためのザルとかだったら、簡単なのにー!

さらに、パンニング皿は浅いので、くるくる回している間に、
あるかもしれない砂金もひっくるめて全部、
水流に乗って流れ落ちてしまう気がして、
どうしてもスピードアップできない・・・
あと、事前に使い方をしっかり勉強してこなかったため、
どっち方向に回転させるのが正解なのかわからない。

いつもならしっかり事前準備するのだけど、
前日も雨だったし、予報もずっと結構な雨の予報だったので、
たぶん、砂金採りはできないだろうと思っていた。
だいたい初挑戦はこんな感じで失敗が多い・・・



時間をかけて丁寧に洗った後、
なんとか黒く重い砂鉄と一緒に
キラキラ金色に輝く砂も集めることに成功。

あれ!?砂金じゃない!?

どきどき。



お兄さんに見せてみると、全部違うらしい。

がびーーーーん。


金は重いのでパンニング皿の底に溜まり、
水を入れて軽くゆすってもゆらゆら浮遊しないのだが、
私のはゆらゆら。
みんな金に似たような色の砂やキラキラの雲母っぽい・・・

う、まぎらわしい!

何度かやったけど、どうもうまくいかないので、
お兄さんのパンニング皿をお借りしてリトライ。



すると、
私が使っていた緑のパンニング皿で旦那は砂金を発見。

なぬう!!!
う、うらやましい!



私の使い方が悪かったのか、
そもそも私が採った土には砂金は含まれていなかったのかはわからないけど、
ひとまず、緑のパンニング皿でも砂金が採れることはわかった。

よし!引き続きやるっきゃない!
川の水はゴム手をしてても冷たい!
吹き付ける風も、春とはいえど、まだまだ冷たい〜!
そんな中、何度も何度も砂金が溜まっていそうな土をいっぱい入れて、
最初は思いっきりざっくり、大きな石を取り除いて、
小さな砂利くらいになったら、
ちょっとやさしくパンニング皿を揺らして・・・

でも全然ない・・・

運動不足もあって、この体勢が結構腕と腰にくる。

そうこうしてると次の予定があるため、タイムアップ。

でもでも、ひとつも見つけられないのは、悔しすぎる!
ペラペラでも、粉くらいの大きさでもいいから、
私も砂金、見つけたいーーー!!
ということで、泣きの一回!!!



時間もないことだし、勢いに任せて超高速で作業を進め、
えいやーーーーっ!!

さあ、砂金はある!?

ある?



あ、る!!!!!





あったーー!!

小さいけど。2粒!


うん、確かに他の砂とは少し色が違う。
黄金の輝き!!
パンニング皿をゆすっても、ゆらゆらしない!
う、うれしい!!

家に帰って、ルーペで見てみると・・・




さらに、顕微鏡でも・・・



うはっ!!

ゴールドに輝いてる!

金の粒って感じ。

古代遺跡から発掘された感に似た、味がある風貌。
しかも、私のふるさと、神津島の形にちょっと似てる!
う、うれしすぎる!

ついに金をゲット!!!


この日は、金沢の鉱物標本店「石の華」で珍しい鉱物を見せていただいたり、お兄さんのお宅で採集コレクションを見せてもらい、(写真右から)石川県小松市の遊泉寺鉱山&金平鉱山の紫水晶や富山県利賀村高沼のコランダムを譲っていただいたり、濃密な1日だった。
アテンドしてくれたお兄さん、ありがとうございました!




そして、金沢に来たもうひとつの目的、
それはエクロジャイトとカンラン岩について学ぶこと!!



私たちがノルウェーで採ってきた石(↑)は、
エクロジャイト?かんらん岩?という疑問があり、
マントルのことといえば、金沢大学の森下知晃教授ということで連絡してみるとお時間いただけることに!



金沢大学にお招きいただき、いろいろお話を伺って、エクロジャイト&かんらん岩問題は解決!(ちょっとややこしい話で説明が難しいので割愛します)

なぜ大学教授にまで話を聞きに行ったのかというと、
もちろんエクロジャイトの定義はわかってるけど、
現実世界にある石は、微妙なものが多い。
なので研究者の方はどう判断してるのかを知りたかった。

森下さんもノルウェーの現地に行っていて、
やっぱり当事者の方とお話するのが一番だと思う。
今回は2日間も時間をとっていただき、感謝しかありません。

そして、せっかく来たのだからと、
研究室や秘密の鉱物倉庫を見せていただきました!





秘密の鉱物倉庫には、所狭しと鉱物・岩石などが!!!!
写真はほんの一角で、部屋全体に棚棚棚といった感じ。

国産のかんらん石、かんらん岩を見せてもらったり・・・





そんな中でも一番印象に残ったのがこの石!!





二十数年前に北海道の幌満で見つかったルビー(コランダム)!!!

森下教授らが見つけたそうで、
ここまで赤いルビーは、日本でここだけしか見つかっていないそう。

発見時のことをお伺いすると、雨で調査ができない日が続いていた中、少しだけ太陽が出たときがあり、せっかくなので調査に出よう!と探していたら、すぐに見つけたのだとか。
そのとき見たルビーは、真っ赤でとてもびっくりした!とおっしゃっていた。

と、確かにこのルビーを見つけたらびっくりするなと思ったのですが、
これはあくまで研磨して磨かれた石。
実際にそのとき見つけた石も見せてもらうと・・・





むむむっ


そんなに赤くない・・・


逆にこれを見つけられる目がすごい!!



だけど、改めて当時の状況を想像してみると、
雨上がりの濡れた状態&太陽!
というルビーにとって最高のコンディション。

ルビーは紫外線で蛍光するので、
きっと真っ赤な光を放っていたのだろう!



見つかった場所は誰でも行ける場所だったらしく、
そんな場所にルビーがあるなんて!!


そんな話を聞くと、
日本中、世界中には、
見つかっていない、気づかれていない石が
まだまだ眠っているのかもしれない。


そう思うと旅に出るのが楽しくなる。


もちろんそれが世紀の発見であってもそうでなくても
自分が見つけた宝石はどんなものでも特別なもの。


砂金1粒だって、めっちゃ嬉しいのだから。