Bolivia2018②〜アナイ鉱山を目指して出発!〜

アナイの会社があるサンタクルスからアナイ鉱山へは、
長距離バス、チャーター車を乗り継いで向かう。

ちなみに、アメトリンを産出するアナイ鉱山は、
アナイという会社が独占管理している鉱山なので、
誰でも勝手に行けるわけではない。

まず夜行バスで、約630キロの道のりを経て、
ブラジルとの国境の町プエルトスアレスへ。



バスターミナルは相変わらずの混みっぷり。
でも、4年半前よりは若干綺麗になったような気がする。

サンタクルスから長距離バスは何度も乗っているので、
乗り方は分かってるのだけど、
バス会社選びはいつもよくわからない。



実際に乗るバスを見て決めることはできないので、
行き先を叫んでいるお姉ちゃんやおっちゃんのところへ行き、
値段を聞いたり、出発到着時間を聞いたり。
看板に掲げられているバスの写真を指さして、
これかい?本当にこんなバスなのかい?
と、ジェスチャーで聞いていく。

今回は、バスターミナル内を循環していた若い制服を着た男子2人が、
スマホで日本語翻訳しながら、親切に教えてくれた。

無事、チケットをゲットし、出発を待つこと約4時間。
出発の時間になったのに全然出発しないので、聞いてみると、
まだ席がうまらないとのことだった。なに〜!!!
結局バスは1時間遅れで出発。

バス会社選びは当たりはずれがある。
今回は、はずれ・・・かな。

夜行バスだというのに、冷房が効きすぎている上に、
私の席の真上から冷風が直撃!寒すぎる!
イスはがっつり倒れるものの、眠れる気がしない。
この時期、夜になると外は極寒。
バスが古いせいか、車内の壁が氷のようで、
窓際の席のもうひとりは夜中極寒だったそう。
私は限界に達してトイレへ行ってみたけど、
鍵が閉まらないから、押さえていないといけないし、
水は流れないし、もちろんトイレットペーパーもない、
薄暗くてほぼ見えないしで、最悪。



1時間遅れで出発したバスは、到着も1時間遅れで無事到着。
ここまで約10時間。
このバスに乗っている人の多くがブラジルへ行くので、
他の乗客たちがここはまだ降りる所じゃないよ?大丈夫?
と心配して声をかけてくれる。
それくらい、降りる人がいない小さな町。



4年半前にはなかった新しいバスターミナル。
今日会う予定のリリーという女性の連絡先を事前に聞いており、
着く時間をお知らせしていたけど、誰もいない。

ここはどこ・・・
私はどうすればいいの・・・

と悩んでいてもしょうがないので、
彼女に電話してみる。
すると、出た!!!

が、スペイン語。
どこへ行ったらいいのやら、何を言っているのやら、
何も分からないので、
ひとまずタクシーの運転手さんと電話を代わってもらい、
なんとかアナイのプエルトスアレス事務所へ。



ここにやってくるのは2度目。
1度目は4年半前、
鉱山に行けるかどうかもわからず、
ここプエルトスアレスまでやってきた時。
この町の人達に、鉱山に行きたい行きたい!と言っていると、
ここに案内されたのだった。

ここで出会ったリリーが何者かもわからない私たちに親切にしてくれ、
中に入れてくれ、石も見せてくれた。
鉱山に行けないと聞いても食い下がる私たちに、
ラミーロを紹介してくれたのも彼女だった。



でも、その当時彼女の電話番号を書いたノートをなくしてしまい、
連絡することもできなかったので、
こうやってまた会えてうれしい!!
私たちのこともしっかり覚えていてくれた。

そして、ここでドライバーさんが合流。
事務所で契約書のような書類にサインをしている。
今回のために雇われて、私たちを連れて行ってくれるのかな?

さらに、私たち以外にも同乗する人がひとり。
あれ?行くのは私たちだけじゃないのか。
他にも私たちみたいに見学で行く人がいるのかな?

なんだか謎がいっぱいだけど、4人で鉱山に向かって出発!



ドライバーの名前はロセンド。
一緒に乗り込んだもうひとりは、フェルナンド。
スペイン語本や、スマホのGoogle翻訳で話を聞くと、
どうやら鉱山で働いている人みたい。
石を運んで来たりもするんだと言う。
おお!現役のワーカーさんが一緒とは心強い。



まず始めに立ち寄ったのは、ガソリンスタンド。
ガソリンを満タンにした上に、さらにポリタンクでもガソリンをゲット。
どうやら、やっぱり道中ガソリンスタンドはなさそう。
帰りの分も積み込んでいるらしい。

しばらく大きな一本道を走っていると、
なにやらポリスの検問が。
後ろに乗っているアジア人の私たちを疑っている。
ドライバーのロセンドがいろいろ説明しているみたいだけど、
ポリスの口からは「ペロ〜」というスペイン語がいっぱい出てくる。
スペイン語のperoは、「でも〜」とか、「だけど〜」という意味。

あれ?いきなり私たちこれ以上行けない感じ?

不安と緊張で背筋が伸びる。
すると、ロセンドがなにやら書類を差し出した。
事務所にいるとき、リリーが作成していたものみたいだけど、
採掘に行く時の証明書的なものなのかな?

どうやら、同行する私たちのことも書かれているようで、
「2名か、明日戻って来るんだな?」
みたいな感じで念押ししながら、ロセンドとフェルナンドと話して、
通行許可がおりた。

その後、1時間くらい走ると、
アスファルトの道から土の道へと変わる地点にたどり着いた。




少しの休憩を挟み出発!!
おお、いよいよ、ガタガタ道ゾーン!
アクセスが厳しい鉱山へ行く道と言えば、これ。
さらにわくわくしてくる。



ラミーロが、ジャングルの中をドライブするって言っていたけど、
ここから、いろんな動物と遭遇。

真っ白な岩かと思ったら牛?
泥浴びしているブタたち。
野生のダチョウは初めて見た!
突然行く手をふさぐロバ。
道中もサファリパークみたいで楽しい。






時には、道が川になってる場所も。
これは確かに雨が降ると進めない、もしくは進むのに時間がかかりそう。




ガタガタの道だけど、大きなくぼみも石も上手に回避して、
舗装された道の時と同じように、すごいスピードを出して走る。

どうやら今日は道の状態が良いみたい。
ロセンドがスペイン語で話しかけてきた。

「アキ、ムーチョ アグア!」

アキ(ここ)
ムーチョ(すごい・たくさん)
アグア(水)

おお!この場所が雨の時期は、ムーチョ アグアなのか!
そして、その時の動画を見せてくれた。



おお!!!確かにこれは、ムーチョ アグア!!
このレベルでも車で進むってどういう感覚???
こりゃあ、行くの無理でしょ!

というか、ロセンド、
専属かはわからないけど、雨季の時期にも行っているということは、
数え切れないくらい往復しているのかもしれない。
というかこのあたりは道を知らないと迷子になりそう。



細かい粉が舞い上がるような白い砂の道から、
ぼこぼこの砂利道になり、
赤土の山道へ変化していき、
林になったり、葉のない森になったり。
商店らしきものは何もない。
対向車もなく、唯一話しかけたのはバイクでパトロールしている、
森林保護官みたいな人だけ。



車に揺られること4時間。
GPSを見る限りでは、だいぶ北上してきた。
もはやGoogle Map上には道はない。

途中いくつかのゲートを通過し、車は進んでいく。
ロセンドとフェルナンドのナイスコンビネーションで、
開けては閉めて、開けては閉めて。



この頃になると、日も昇り、窓からは熱風が吹き込む。
車はかなり年季が入っていて、エアコンはたぶん動かない。
窓を全開にして進んでいく。

そして、さらに1時間ほど走った時、
前に全然スピードの出ないトラック?トラクター?がいたのでストップ。



とその時!

窓から地面を見ると、
なにやら気になるものが!!




はっ!?
あれ?これアメシストじゃない!?

辺り一面、アメシストっぽい原石が敷き詰められている。



すぐに車を降りて確かめる。

すると・・・



おお!
ある!ある、ある!!!

アメトリンだ!

薄い色だけど。

さらに!!




うわっ!シトリン、初めて!

ここにはアメトリンやアメシストだけでなく、
黄色のシトリンも!

世界的にもなかなか採れないという天然シトリン。
これまで焼いているシトリンしか見たことなかったから、
まだ鉱山に着いてないけど、超うれしい!

何この道!!!
両サイドの森の中にまで転がってる。
じりじり暑いけど、
こんなの拾わずにはいられない!



持っていってもいいか聞くと、もちろんいいさ!
的な回答が返ってきたので、拾いまくる!!
そして、私たちのために一緒に拾ってくれる!!



アメトリンもポインターも結構ある!
目標早くも達成!
ずっとここで拾っていたい!

夢中になって拾っていたら、
後ろからトラックが来てしまった。

くぅ!1本道だからしかたない!

名残惜しいが車へ戻る。
そして、再出発して数メートル。
前を見てみると・・・




おぉー!!!
アナイ鉱山のゲート!
ついにやってきたー!!!!!

  エピソード③→
[Bolivia:Ametrine/Amethyst]