翌日、お願いしていたタクシーに乗って、
いよいよフランケイラに。
フランケイラまでの山道はカーブが多く、
ゆっくり安全運転。
目の前に広がる黄色いお花畑にウキウキが止まらない。
すごいキレイ!!
羊たちも道路を歩いててかわいい!
やっぱり、歩いて行ってもよかったかな・・・
いや、違う違う、今回のお目当てはエメラルド!
運転手のお兄ちゃんは、
エメラルドのことは知らないようなので、
町の中心地で降ろしてもらう。
ちなみに、この町にタクシーはないらしく、帰りのことを相談。
電話か時間を決めてくれれば迎えに来てくれるという。
スマホの電波がギリギリ入る場所だったので、
とりあえず時間を決めて迎えに来てもらうことに。
これで帰りも安心。
さっそく聞き込みしようと歩いていたら、
教会の前で、神父さんに遭遇。
教会の中を案内してくれた。
ここに観光客が来るのが珍しいらしい。
お守りにと、木製のキリストとマリア像が描かれた
ネックレスを持たせてくれ、
腕に記念のリボンを結んでくれた。
おっ!なんだかエメラルド見つけられる気がする!
とここで、すかさずエメラルドの場所を聞くことに。
南米で鍛えたスペイン語が炸裂!!!
・・・することはなく、
なにを言っているかよくわからない。
たぶん、何となくこの地方のスペイン語は
今まで聞いてたのと、ちょっと違う。
後で調べてみてわかったけど、
このあたりはガリシア地方なのでガリシア語が使われているよう。
まぁ、どちらにしてもよくわからない。
ただ、エスメラルダ(エメラルドのスペイン語)は通じた。
やっぱりこの町で出たみたい。
あっちのほうにあると教えてくれた。
やっぱりエメラルドの町なんだ!!!
すぐに、あっちのほうに行ってみるが・・・
それらしい場所はない。
えっと・・・
あっちって、どっち?
なぜ〝あっち〟だけで納得してしまったのか・・・
しくじった。
もう神父さんはいない。
思い返せば、そもそも
鉱山の入口らしきものがあるのか、
鉱山跡っぽいものがあるのか、
それすらよくわからない。
岩や石、土を見ても、
どういう所から出るのかも知らない。
う~~~ん、エメラルドってどんなとこにあるのかな?
地元の人に聞けば、
ピンポイントでその場所を教えてくれる、
と思っていたが、これはピンチ。
聞き込みをしたくても、全然人がいない!!
地図上には、一軒だけレストランっぽいものがあったけど、
実際には、お店はもちろん食事処はなにもなかった。
その後、見つけたお兄ちゃんは、
牛飼いのおじいちゃんに聞いてくれたけど、知らない感じ。
たまたま外に出てきたおばあちゃんを
逃してなるものかと話しかけてみるも、
あっちの方かな?と言うだけ。
あっち、じゃわからないと伝えても、
それ以上の情報はわからなかった。
もしかして、
昔エメラルドがあっちにあった。
ということ!?
それとも、エメラルドを堀りに来る輩がいるから、
教えたくない。ということ!?
とにかくそれ以上の情報は得られなかった。
そして、本当に誰もいなくなった。
どうしようもないので、
今度はおばあちゃんがジェスチャーで言ってた、
ぐるっとまわって、あっち、の
フランケイラの町から山の方へ登ってみる。
鉱山と言えば、山。
山中に隠されているような気がする。
車が1台通れるくらいの砂利道から、
川の水が流れ込み泥沼になった悪路を進み、
牛が歩くような細い山道を登る。
勘だけを頼りに、
歩き続けること、2時間。
ついに山頂近くの開けた場所にたどり着いた。
気持ちいい~!!
でも、とくに収穫なし。
あったのは、何かの骨。
そんな場所なの、ここ!?
思いがけず、念願の春ピクニック完了。
ふたたび町の中心地へ戻る。
またもや誰もいない。
・・・とその時!!!
家に入っていく、
おっちゃん発見。
これを逃してはならぬと、
走って追いかけ
声を掛ける。
すぐに、
エメラルドを探していることを伝える。
すると・・・
「知ってるよ!あっち。」
またあっち!?
だから、あっちってどこなの!?
わからない。わからない。全然わからない!
と全力ジェスチャーで伝える。
こっちの気持ちが伝わったのか、
どこかに歩いていく。
一緒に着いていくと、車のところへ。
ん?乗っていいの?
どうやら連れて行ってくれるのか!?
車に乗り込む。
車は動きだし、あっちと言っていた方へ。
確かに、みんなが言ってたあっちの方だ。
そして、走ること2分。
さっき何度も通った道で止まった。
「ここ!」
ここ!?
ここって、ただのアスファルトの道路の
脇ですけど!!!
「この石!」
とひとつ石を取りあげ、
じっと見ている。
すぐに放り出す。
同じような石を拾っては見ていく。
ここにエメラルドが入っていると言う。
おそらく、
エメラルドが入っている石もあるのだろう。
いくつも見ていくが、
エメラルドらしきものは入ってない。
おっちゃんは、ここにいっぱいあったんだけどなぁ、
おかしいなぁ、みたいな仕草をしてる。
やっぱり、もう採れないのかな。
おっちゃんも頑張って探してくれるが、
見つからない。
おっちゃん、ちょっと場所を変えてみようと、
道路の反対側の森に入っていった。
しばらく一緒になって探してみるも、見つからない。
そうか、やっぱりもうないのか。
おっちゃん、お手上げな顔で、
これで全部さ、もういいだろう?じゃあ、俺は帰るよ・・・
みたいなこと言ってる。
ちょちょちょちょ、ちょっと待って!!
お願い、まだ聞きたいことある!
ところで、おっちゃんはエメラルド見つけたことあるの?
と聞くと、
あるある、すごくいい値段なんだ~。
ってニヤニヤ、いい顔して笑ってる。
え!?持ってるの!?
見たい!見たい!
せめてここで見つかったエメラルド、見せて欲しい!!!
するとおっちゃん、家から持ってくるから、
1時間くらい待っててと、車で行ってしまった。
わ~~~~!
どんなのかな?
おっちゃん、ちゃんと帰ってくるかな?
わくわくしながら、
今度は自分で探してみる。
すると・・・
あった・・・
薄緑色の石がっ!!
一瞬、ものすごく心拍数が上がる。
エメラルド!?
透けてないし、色も薄い。
でも、他のとは違う石。
ちっちゃくてかわいい。
とりあえずキープ。
そんなことをやっていると、
おっちゃん、戻ってきた。
なんとその手には・・・